『刑事ダルグリッシュ』はイギリス発の人気刑事ドラマです。詩人でもあり、妻子を亡くしたダルグリッシュ刑事中心に事件を解決に導いていきます。原作はイギリスの女流推理作家のP・D・ジェイムズ(1920-2014)。2人の子供を一人で育てながら40歳過ぎて本格的に小説を書き出したパワフルな女性!『死の味』のキャスト、前編のまとめ、後編ネタバレなしあらすじ、解説をご紹介します!
刑事ダルグリッシュ 死の味 キャスト
★刑事★
①アダム・ダルグリッシュ刑事(バーティ・カーベル)…ロンドン警視庁犯罪捜査課。高い知性と鋭い洞察力の持ち主、詩人でもある。妻は初めての赤ちゃん(男の子)を分娩中に死亡し、赤ちゃんも間もなく死亡した。
②マスターソン巡査部長(ジェレミー・アーヴァイン)…アダム・ダルグリッシュ刑事の部下。上司のダルグリッシュ刑事に追いつこうと頑張っているが、性格にやや難あり。
③ミスキン巡査部長…アダム・ダルグリッシュ刑事の部下でマスターソン巡査部長よりも信頼されている。
★ポール・ベロウン卿の親族★
①ポール・ベロウン卿…教会で殺害されていた。妻バーバラがいるが、女性スキャンダルが世間を騒がせて議員を辞職したと噂あり。
②ラヴィニア・ベロウン…ポール・ベロウン卿の母。
③バーバラ・ベロウン…ポール・ベロウン卿の妻。ポール・ベロウン卿が殺害された日は彼の従兄のランパードとディナーに出掛けていた。
④ランパード…ポール・ベロウン卿の従兄弟で元産婦人科医。過去に過失致死罪で有罪判決を受けていた。
⑤ドミニク…バーバラの兄で俳優の卵。ジーニーとは役者の卵つながりで知り合いだった。川で溺れるジーニーを助けようとしたが助けられなかった、と証言している。屋敷の使用人マトロックと仲がいい。
★その他★
①バーンズ神父…ポール・ベロウン卿が殺害された教会の神父。ポール・ベロウン卿は悩みを抱えていたようだったと証言している。
②ハリー・マック…ポール・ベロウン卿と共に教会で殺害されたホームレス。この教会を宿代わりにたまに利用していた。
③ジーニー…女優を目指しながらポール・ベロウン卿の屋敷で清掃アルバイトをしていたが、川で溺死した。ドミニクと知り合いだった。
④ウォートン婦人…ダレン少年を連れて教会に通っている女性。ポール・ベロウン卿とハリー・マック殺害現場の第一発見者。
⑤ダレン少年…ウォートン婦人と一緒に教会に通っている少年。両親は留守がち。
⑥ハリウェル運転手…ラヴィニア・ベロウンに雇われている運転手。
⑦マトロック(マティ)…ベロウン卿一家の使用人で、バーバラの弟ドミニクと仲がいい。
⑧テレサ・ノーラン…ポール・ベロウン卿の従兄弟ランパードの病院で働く看護師。その前はポール・ベロウン卿の屋敷で働いていた。
刑事ダルグリッシュ 死の味 前編まとめ
思いつめた表情で誰もいない教会に入っていくポール・ベロウン卿。翌日、ホームレスのハリー・マックと並んで死体となって発見されます。
検死の結果、ハリー・マック以外の何物かに殺害されたと断定。ポール・ベロウン卿は生前、屋敷の清掃アルバイトのジーニーを妊娠させ、後に彼女が川で溺死したことが大きなスキャンダルになって議員辞職に追い込まれた、との噂がありました。
彼は生前、屋敷に母と妻バーバラと住み、離れには使用人と母の運転手が住んでいました。バーバラは従兄弟ランパードと不倫関係です。
一方バーバラの兄ドミニクは、使用人に会いに離れに度々行っていました。ポール・ベロウン卿が殺害された時間帯、バーバラはランパードとレストランで外食中だったと言います。
ドミニクは屋敷の使用人の部屋で使用人と一緒に過ごしていたと言います。さらにドミニクは事情聴衆中、ポール・ベロウン卿の過去の職業や使用人との関係性を自ら話します。
一方、ジーニーが川で溺死した件で、ドミニクの証言と母の運転手の証言に食い違いが出てきます。そんな中、バーンズ神父が何者かに襲われます。
刑事ダルグリッシュ 死の味 後編ネタバレなしあらすじ
バーンズ神父が襲われた時間帯、ランパード、バーバラ、ドミニクにはそれぞれアリバイがあるようですが、捜査を進めると空白の時間があることが分かってきます。
一方、ポール・ベロウン卿の遺産は、妻のバーバラが一番多くもらうことになっていました。従兄弟との不倫を夫ポールは知らなかったはず、と彼女は主張。
しかし刑事ダルグリッシュは、ポール・ベロウン卿は妻バーバラと従兄弟との不倫を気づいており、バーバラに離婚を迫ったのでは?と推理。
離婚されると遺産相続できなくなる事を危惧したバーバラが怪しいと疑いを強めます。実際、ポールの母は、ポールが不倫に気づいていたと証言。遺産分配には大きなドンデン返しがありました!
さらにポールの母は、卓上手帳の件で嘘の証言をしていました。実際は、ポール・ベロウン卿が殺害された日に手帳があるのを見ていました。
また運転手と、バーバラとランパードが食事をしたレストランのドアマンは共謀して嘘の証言をしていました。
そんな中、ランパードが経営する病院に勤める看護師テレサの証言で、ポール・ベロウン卿を中心とした殺害・不審死の真相が分かってきます。犯人特定には、ダレン少年の意外な行動も役立っていました。
刑事ダルグリッシュ 死の味 解説 ダレン少年が事件解決に貢献?!
ウソの証言が多くて捜査がなかなか進みませんでしたが、後編は泉のように証言が湧き出し、捜査が進みましたね。
ポール・ベロウン卿、教会の神父、清掃アルバイトのジーニーを殺害したのはポール・ベロウン卿の妻の兄ドミニクでした。
ドミニクはマスターソン巡査部長から事情聴取を受けてる時、ポール・ベロウン卿と、屋敷の使用人の父との関係をポロリと自ら話します。
「使用人の父は自殺したけど、使用人はポール・ベロウン卿を恨んでいない」のところです。少しでも自分への疑いを避けるため、思わず口から出たのでしょう。
ポール・ベロウン卿の屋敷で少しの間働いていた看護師テレサをレイプしたドミニク。テレサはその事をポール・ベロウン卿に伝えていました。
そしてバーバラの誕生日会の日、ジーニーと川の岸にいるドミニクを見かけます。テレサをレイプして他の女と遊んでいるのか、とポール・ベロウン卿は憤りを感じたのでしょう。
ジーニーがいる前でドミニクにテレサの件を話します。ジーニーが他言するのを恐れたドミニクは、ポール・ベロウン卿が去った後にジーニーを溺死とみせかけて殺害。
次のターゲットはポール・ベロウン卿です。教会にいることを恐らく使用人マトロックから聞き、捜査かく乱のため手帳を持ち出します。教会の中で、隙をついてポール・ベロウン卿を殺害。
そこへタイミング悪く現れたホームレスの男も口封じのため殺害。ドミニクのジャケットのボタンが外れ落ちたのは、ポール・ベロウン卿かホームレスの男と取っ組み合いになったからではないでしょうか。
ドミニクはボタンを落としたことに気づかず教会を去り、そこへウォートン婦人とダレン少年がやってきます。ダレン少年はお小遣い欲しさに、コインではなくボタンを献金箱に入れました。
後にジャケットのボタンを教会に落としたのではと思い出したドミニクは、こっそり教会に忍び込みますが、バーンズ神父に見つかり、彼も殺害したのです。
ダレン少年の「何もやってない」発言は、コーンフレークしかないんですから、コインをもらっても悪くないでしょ、ということでしょう。何よりボタンは犯人特定に大きく寄与しました。
刑事ダルグリッシュ 死の味 感想etc.
後編の途中から、ドミニクがかなり怪しいと私は思っていましたが、やっぱり彼が犯人でしたね。あの慌てぶりは異様でした。
使用人のマティが気の毒でしたね!ドミニクにいいように使われて、屋敷を飛び出してまで彼を助けてあげようとしましたが、この結末。しかし彼女も身に危険が迫るのは時間の問題だったかも。
こんな形でもドミニクから離れることが出来て良かったのでしょう。
私は後編ラストの方で刑事ダルグリッシュがドミニクに妻子を失った経緯を話すシーンが、悲しいんですが好きです。
「あるのは人生だけ」(There is only life.) 妻子を失っているからこそ出てくる言葉だと私は思います。
さて『刑事ダルグリッシュ』はシリーズ2もあり、『わが職業は死』、『正義』、そして『殺人展示室』の全三話 (前編、後編構成) です。イギリスでは2023年4月~5月に放送済。
日本でも放送してくれることを楽しみに待ちましょう!そしてなんとシリーズ3も!2024年初めに撮影開始、2025年初めにイギリスで放送予定のようです。2026年頃日本で観れるといいですね!
シリーズ3では刑事ダルグリッシュのプライベートによりフォーカスするようです。私の印象では、若き日々や妻との出会いなども語られると思います。ミスキン巡査部長との恋愛も?!
・『死の味』原作者P・D・ジェイムズのプロフィールや生い立ち、前編のあらすじはこちらから!
・刑事ダルグリッシュ役のバーティ・カーベルはどんな俳優?生い立ちや出演作品はこちらから!
・マスターソン巡査部長役のジェレミー・アーヴァインは映画『戦火の馬』でブレイク!出演エピソードやプロフィールなどはこちらから!
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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