『リドリー~退任警部補の事件簿』は、イギリス発の人気刑事ドラマです。『届かぬ声』は、事件解決と共にリドリーも失恋しちゃうちょっと切ない物語です。
ゲスト出演のミュージカル女優ジョアンナ・ライディングは「What’ll I Do?」を熱唱!楽しみどころたくさんのドラマです。
キャスト、前編・後編あらすじ、ネタバレありまとめ等お届けします!
リドリー~退任警部補の事件簿 届かぬ声のネタバレなしあらすじ(前編)
たまたま知り合ったジャズシンガーのイブ・マーブリーを気に入るリドリー。
イブは、3日後に行われるジュリアン・バーナムの告別式参列のため、遥々アメリカから来ていたのでした。
彼はイブの音大進学のために奨学金を出した人物。イブはリドリーが元刑事と知ると、弟ルークの行方を捜して欲しいと頼みます。
ルークは15歳で家出し、30年以上、手紙はたまに来るが連絡は一切取れていません。
リドリーはこの依頼を快諾し、失踪前のルークの写真を元に、交友関係や行動パターンを調べ出します。
失踪前ルークはジュリーという女性と友達で、2人はあるレコード店に入り浸っていたこと突き止めます。
ジュリーの交友関係を調べると、ジュリアン・バーナムの息子ジェドと10代の頃付き合っていました。
ジュリーはジュリアン・バーナムの遺産の一部である家と土地の受取人だと分かります。
ジェドは亡くなった父ジュリアン・バーナムを嫌っており、ジュリーに対しても複雑な感情があるようです。
姉のリザはジュリーが家と土地を相続することに憤慨しているようです。
一方リドリーは、レコード店の店主レイにルークの情報提供を呼び掛ける発信を依頼し、レイはこれを快諾します。
リドリーはルークについてさらに知るためジュリーと会う約束をしますが、その当日、意外な展開となります。
リドリー~退任警部補の事件簿 届かぬ声のネタバレなしあらすじ(後編)
ルークの捜索に加え、ジュリー殺害の捜査も開始。家と土地の相続人がジュリーである事に納得いかない故ジュリアン・バーナムの娘リザは、その件で話し合うためジュリーに会いに行っていました。
ジュリーに両方とも買い取りたいとお願いしたが、断られたという。怒りを弟のジェドにぶちまけるリザ。
一方リドリーは、レコード店に届いたガセネタの件が気になっており、調べた結果、レイの嘘だと分かり、さらにルークと名乗る男から脅迫めいた電話が寄せられたことが分かります。
そんな中、ジェドがジュリーから受け取っていた手紙の筆跡と、イブがルークから受け取っていた手紙の筆跡が似ていることが判明。
一方キャロルの部下は、ルーク失踪に関し過去に何らかの届け出があった可能性があるとして、過去の資料を調べ出しました。
そんな中、レイが自宅で自殺。部屋を調べると児童虐待の証拠写真が見つかります。実際、児童虐待に関与していた事実が判明。
ジュリーと接点があったレイ。ジュリーが児童虐待を警察に通報するのを恐れたレイが彼女を殺害した、とリドリーらは断定。
しかしルークと名乗った男の身元が分かると、真犯人は意外な人物だと分かります。
リドリー~退任警部補の事件簿 届かぬ声の解説 権力者の深すぎる闇
ルークは失踪後間もなく、故ジュリアン・バーナムによって殺害されていました。
彼はエンタメ界の大物・慈善家でしたが、児童虐待をする裏の顔もあったのです。
児童虐待を警察に通報したルークに激怒した故ジュリアン・バーナムは、ジュリーを使ってルークをあの家に呼び戻して殺害。
死体はダンカンに地下室に運ばせ、30年近く放置していました。
レコード店の店主レイは、故ジュリアン・バーナムの手下で子供を彼の元に送る役目でした。
ルークと名乗る男(後にダンカンと判明)からラジオ放送中に過去を話すぞと電話があり、正体を暴かれると確信し、自殺。
ジュリーも、ルークがひどい目に遭うと知りながらあの家に連れて来たので、やはり刑罰を恐れていたと思います。
捜索されたら自分の身が危ない。だから手紙を出してルークはまだ生きているとアピールしていたのです。
でもジェドに言ったように、ジュリーの体調は悪化していました。加えて自分との葛藤もあったと思いますが、手紙を出すのを止めました。
ジェドに「警察に駆け込む」や「皆道連れ 」と言いますが、道連れは一旦おいといて、ジュリーとしては自分が病死する前に自首してもいい、するべきと思っていたんだと私は思います。
イブが町に来ていると知り、真実を話すだけでなく恐らく謝罪もするつもりが、イブがカッとなってジュリーを突き飛ばしたため、地面にあった瓶で喉を深く切り、死亡。パニックと動揺で立ち去るイブ。
故ジュリアン・バーナムが弟ルークを殺害したと知ったイブが、彼の葬儀に出席したのは驚きましたが、生前の極悪非道ぶりを彼の家族を含め葬儀出席者に知らしめるためでした。
そしてイブがもし葬儀に行かなかったら、逮捕されなかったのでは…いや、逮捕されてたでしょうが、リドリーとの時間をもう少し、もしかしたらアメリカで過ごせたんではないかと。
そして気になるのが、なぜ故ジュリアン・バーナムは家と土地の相続人を親族以外のジュリーに指定したのか、です。
私はルークの行方よりも気になっていて、これこそが事件解決のカギだと思って観ていました。その理由とは、ルーク殺害と死体を隠しておくためでした。
遺言書作成がルーク殺害の年なのが何よりの証拠です。娘か息子に相続させてもしルークの死体を発見したら、自分の死後であっても正体が暴かれてしまいます。
娘はジュリーにお金を払うから買い戻したいと言いますが、お金の問題じゃないんですよね。
リドリー~退任警部補の事件簿 届かぬ声のキャスト
★警部★
①アレックス・リドリー(エイドリアン・ダンバー)…1年半前に火事で妻と娘を亡くし警部補を辞職したが、後輩キャロルから事件解決の助けを依頼され手伝っている。ボートやジャズが趣味。
そんなリドリーを演じるのは、1958年アイルランド生まれのエイドリアン・ダンバー。
ドラマと同様、音楽好きでバンド『Adie Dunbar and the Johahs』を結成しています。
私の印象だと、音楽と刑事ものが得意な俳優さん。本ドラマの中でも渋い歌声を披露!軽く歌っているところが私はすごいと思いますね。
俳優の里見浩太朗の雰囲気に似てると私は思いますね。そこまでイケメンじゃないのに渋い、という感じでしょうか(笑)。
②キャロル・ファーマン(ブロナー・ウォー)…リドリーの元後輩で今も彼から信頼されている。
プライベートでは女性パートナーとの間に高校生の息子ジャックがいる。
そんなキャロルを演じるのは、1982年北アイルランド生まれのブロナー・ウォー。
二コラ・コクランも出演のドラマ『デリー・ガールズ~アイルランド青春物語』や『デス』等に出演しています。
男性と結婚し男の子が1人いますが、カナダ人の母はレズビアンで同性婚をしています。
このパターンは日本でも増えつつあると私は思います。多様性があって私は賛成ですね。
姐御肌なキャラがいい味出してると思います。女性上司にしたいランキングで上位になりそうなタイプ。
こんな上司がいたら何でも相談できるだろうな、と私は確信出来ますね。
1、2回ぐらいは彼女を全面に出すストーリーがあってもいいと私は思いますが、どうなんでしょう?
★ゲスト出演★
イブ・マーブリー(ジョアンナ・ライディング)…ジャズ歌手。ジュリアン・バーナムの奨学金で音大に進学出来た。15歳で家出した弟ルークの捜索をリドリーに頼んだ。
★バーナム家の親族★
①ジュリアン・バーナム…エンタメ界の有力者だった。事業と同時に奨学金で恵まれない若者の教育支援を行っていた。ジュリーに財産の一部の家と土地を相続させる遺言を遺して亡くなった。
②ジェド・バーナム…ジュリアン・バーナムの息子。かつて重度アルコール中毒者だったジュリーと付き合っていたことで人生を狂わされた。
③リザ・バーナム…ジュリアン・バーナムの娘。弟ジェドの人生を狂わせ、父の財産の一部である家と土地を相続するジュリーを疎ましく思っている。
★その他★
①ジュリー…10代の頃は重度アルコール中毒者で、ルークやダンカンとつるんでいた。ジュリアン・バーナムの親族ではないが、彼の財産の一部である家と土地の相続人。
②ルーク・マーブリー…イブ・マーブリーの弟。15歳で家出したまま30年以上行方不明になっている。
③レイ…ルークやジュリーが10代の頃にたまり場としていたレコード店の店主。ジュリアン・バーナムに世話になった人物でラジオ局を持っている。
④ダンカン…10代の頃はジュリーやルークとレコード店でつるんでいた。ルークに最後に会った人物。
リドリー~退任警部補の事件簿 届かぬ声の私の感想 etc.
子供を巻き込んだ事件なので、いつもより重い雰囲気だろうなと思いながら観ましたが、想像以上に重たい内容でした。ここまで残虐性を持たせたことに私は驚きました。
こういった大人の権力者が子供を襲う事件は日本でも起きていますが、ニュースを聞くたびに私は本当に嫌な気持ちになります。
ルークは、自分の命と引き換えに大人の権力者の罪を明るみに出そうとしましたが、ドラマとはいえ私はモヤモヤした気持ちで観ていました。
あと、ジェドの立ち位置が私には最後までよく分かりませんでした。
ルークの事は殺害のことも含めて知らなったというジェドが、なぜ父をあんなに嫌っていたのか?ジュリーの「警察」や「道連れ」の言葉に動揺していましたが、何に恐れていたのでしょう?
若干謎が残りましたが、最後のイブの言葉以外は楽しめるドラマでした。イブの「私たちの関係が終わってしまう」はもう切なすぎて。
「What’ll I Do?」-どうしたらいいの?-の歌が深すぎましたね。
イブがリドリーに、「私たち孤独なもの同士」と言うのですが、イブの方がリドリーより何倍も孤独だったのでは、と私は思いました…
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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