刑事ダルグリッシュ 死の味のネタバレなしあらすじ(前・後編)<解説>ダレン少年が事件解決に貢献?! キャスト、P・D ジェイムズの生い立ちも解説!

このドラマが観たい!

『刑事ダルグリッシュ』は、イギリス発の人気刑事ドラマです。詩人でもあり、妻子を亡くしたダルグリッシュ刑事中心に事件を解決に導いていきます。『死の味』は、上流階級の男とホームレスの男の死から始まる物語。キャスト、前編・後編あらすじ、解説、原作者P・D・ジェイムズの生い立ちなどを解説します!

刑事ダルグリッシュ 死の味のネタバレなしあらすじ(前編)

いつものように教会にやって来たウォートン婦人とダレン少年。ドアはすでに開錠してあり、献金箱のそばでダレン少年はボタンのようなものを見つけます。

そして奥の部屋で、ポール・ベロウン卿とホームレスのハリー・マックが血まみれで倒れているのを発見。遺書はありませんでしたが焼けた手帳が見つかりました。

検死の結果、2人は殺害されたと断定。刑事ダルグリッシュとミスキン巡査部長は、ポール・ベロウン卿の屋敷で彼の妻バーバラ、従兄弟ランパード、妻の兄ドミニク、そして母に事情聴取を始めます。

母は、バーバラたち3人に悪い印象があるようです。バーバラとランパードは親密な関係のようです。家族や使用人、母の運転手はそれぞれアリバイがあると言います。

ポール・ベロウン卿を恨んでいた人物はいなかったようですが、屋敷の清掃アルバイトのジーニーを妊娠させ、さらに彼女が川で溺死したことが大きなスキャンダルとなり議員職を追われた、と世間では噂があります。

さらに調べる中で、ポール・ベロウン卿にはすでに故人の兄がいたことがわかり、彼の死後はポール・ベロウン卿が爵位を継いでいたことなど、兄弟にからむ複雑な人間関係が見えてきます。

捜査を進める中、新たな人物が襲われます。

刑事ダルグリッシュ 死の味のネタバレなしあらすじ(後編)

バーンズ神父が襲われた時間帯、ランパード、バーバラ、ドミニクにはそれぞれアリバイがあるようですが、捜査を進めると空白の時間があることが分かってきます。

一方、ポール・ベロウン卿の遺産は、妻のバーバラが一番多くもらうことになっていました。従兄弟との不倫を夫ポールは知らなかったはず、と彼女は主張。

しかし刑事ダルグリッシュは、ポール・ベロウン卿は妻バーバラと従兄弟との不倫を気づいており、バーバラに離婚を迫ったのでは?と推理。

離婚されると遺産相続できなくなる事を危惧したバーバラが怪しいと疑いを強めます。実際、ポールの母は、ポールが不倫に気づいていたと証言。遺産分配には大きなドンデン返しがありました!

さらにポールの母は、卓上手帳の件で嘘の証言をしていました。実際は、ポール・ベロウン卿が殺害された日に手帳があるのを見ていました。

また運転手と、バーバラとランパードが食事をしたレストランのドアマンは共謀して嘘の証言をしていました。

そんな中、ランパードが経営する病院に勤める看護師テレサの証言で、ポール・ベロウン卿を中心とした殺害・不審死の真相が分かってきます。犯人特定には、ダレン少年の意外な行動も役立っていました。

刑事ダルグリッシュ 死の味の解説 ダレン少年が事件解決に貢献?!

ウソの証言が多くて捜査がなかなか進みませんでしたが、後編は泉のように証言が湧き出し、捜査が進みましたね。

ポール・ベロウン卿、教会の神父、清掃アルバイトのジーニーを殺害したのはポール・ベロウン卿の妻の兄ドミニクでした。

ドミニクはマスターソン巡査部長から事情聴取を受けてる時、ポール・ベロウン卿と、屋敷の使用人の父との関係をポロリと自ら話します。

「使用人の父は自殺したけど、使用人はポール・ベロウン卿を恨んでいない」のところです。少しでも自分への疑いを避けるため、思わず口から出たのでしょう。

ポール・ベロウン卿の屋敷で少しの間働いていた看護師テレサをレイプしたドミニク。テレサはその事をポール・ベロウン卿に伝えていました。

そしてバーバラの誕生日会の日、ジーニーと川の岸にいるドミニクを見かけます。テレサをレイプして他の女と遊んでいるのか、とポール・ベロウン卿は憤りを感じたのでしょう。

ジーニーがいる前でドミニクにテレサの件を話します。ジーニーが他言するのを恐れたドミニクは、ポール・ベロウン卿が去った後にジーニーを溺死とみせかけて殺害。

次のターゲットはポール・ベロウン卿です。教会にいることを恐らく使用人マトロックから聞き、捜査かく乱のため手帳を持ち出します。教会の中で、隙をついてポール・ベロウン卿を殺害。

そこへタイミング悪く現れたホームレスの男も口封じのため殺害。ドミニクのジャケットのボタンが外れ落ちたのは、ポール・ベロウン卿かホームレスの男と取っ組み合いになったからではないでしょうか。

ドミニクはボタンを落としたことに気づかず教会を去り、そこへウォートン婦人とダレン少年がやってきます。ダレン少年はお小遣い欲しさに、コインではなくボタンを献金箱に入れました。

後にジャケットのボタンを教会に落としたのではと思い出したドミニクは、こっそり教会に忍び込みますが、バーンズ神父に見つかり、彼も殺害したのです。

ダレン少年の「何もやってない」発言は、コーンフレークしかないんですから、コインをもらっても悪くないでしょ、ということでしょう。何よりボタンは犯人特定に大きく寄与しました。

刑事ダルグリッシュ 死の味のキャスト

★刑事★

①アダム・ダルグリッシュ刑事(バーティ・カーベル)…ロンドン警視庁犯罪捜査課。高い知性と鋭い洞察力の持ち主、詩人でもある。妻は初めての赤ちゃん(男の子)を分娩中に死亡し、赤ちゃんも間もなく死亡した。

②マスターソン巡査部長(ジェレミー・アーヴァイン)…アダム・ダルグリッシュ刑事の部下。上司のダルグリッシュ刑事に追いつこうと頑張っているが、性格にやや難あり。

③ミスキン巡査部長…アダム・ダルグリッシュ刑事の部下でマスターソン巡査部長よりも信頼されている。

★ポール・ベロウン卿の親族★

①ポール・ベロウン卿…教会で殺害されていた。妻バーバラがいるが、女性スキャンダルが世間を騒がせて議員を辞職したと噂あり。

②ラヴィニア・ベロウン…ポール・ベロウン卿の母。

③バーバラ・ベロウン…ポール・ベロウン卿の妻。ポール・ベロウン卿が殺害された日は彼の従兄のンパードとディナーに出掛けていた。

④ランパード…ポール・ベロウン卿の従兄弟で元産婦人科医。過去に過失致死罪で有罪判決を受けていた。

⑤ドミニク…バーバラの兄で俳優の卵。ジーニーとは役者の卵つながりで知り合いだった。川で溺れるジーニーを助けようとしたが助けられなかった、と証言している。屋敷の使用人マトロックと仲がいい。

★その他★

①バーンズ神父…ポール・ベロウン卿が殺害された教会の神父。ポール・ベロウン卿は悩みを抱えていたようだったと証言している。

②ハリー・マック…ポール・ベロウン卿と共に教会で殺害されたホームレス。この教会を宿代わりにたまに利用していた。

ジーニー…女優を目指しながらポール・ベロウン卿の屋敷で清掃アルバイトをしていたが、川で溺死した。ドミニクと知り合いだった。

④ウォートン婦人…ダレン少年を連れて教会に通っている女性。ポール・ベロウン卿とハリー・マック殺害現場の第一発見者。

⑤ダレン少年…ウォートン婦人と一緒に教会に通っている少年。両親は留守がち。

⑥ハリウェル運転手…ラヴィニア・ベロウンに雇われている運転手。

⑦マトロック(マティ)…ベロウン卿一家の使用人で、バーバラの弟ドミニクと仲がいい。

⑧テレサ・ノーラン…ポール・ベロウン卿の従兄弟ランパードの病院で働く看護師。その前はポール・ベロウン卿の屋敷で働いていた。

刑事ダルグリッシュ 死の味の原作者 P・D ジェイムズはどんな人?

P・D ジェイムズのプロフィール、生い立ち

P・D ジェイムズは1920年イングランドのオックスフォードで生まれ、2014年に94歳で死去しました。

税務調査官だった父は、いつも食事を一人で食べる家族への愛情の薄い人だったと語っています。

当時を振り返りこんな発言を。

「子供の頃はいつも怯えていたわ。家族のそういう状態が爆発して間違った方向に進んでしまうんじゃないかという恐怖心と共に生きていた。」

P・D ジェームズが14歳の時に母が重度の更年期障害で入院したため、通っていた女子高を中退し、働きながら家事や弟妹の世話をしていました。母が回復することはありませんでした。

21歳で医学部生と結婚し2人の娘が誕生したが、夫は戦地へ。帰還するも、戦時中のPTSDがあまりにひどく、精神病院に入院。その後、夫は退院することなく生涯を終えています。

夫が働けない状況の中、P・D ジェームズが一家の大黒柱となり国民保健サービスや内務省、刑事政策部署で働きながら娘2人を一人で育てました。

病院管理の学位を取るため夜間学校に通って仕事後には勉強。そんな努力の甲斐あって経済的な余裕が生まれ、40歳になってから本格的に小説を書き始め、生涯で20の物語を執筆しました。

P・D ジェイムズの作品の特徴

英国国教会主義への忠誠心の一つとして、信仰深い登場人物を必ず一人入れるのも特徴です。『死の味』では、ウォートン婦人がその登場人物かと私は思います。

病院や官僚制を舞台に複雑で多面性を持つ登場人物をきわめて緻密に書き上げるのも特徴。派手さはない分、人間の奥深い心理を映し出す作品が多いと私は思います。

例えストーリーは私たちの日常と大きくかけ離れていても、心理面だけでも共感できると私は思います。同類ドラマとの相違点は、死体を映す時間が長めで、検死のシーンがほぼ必ずあることです。

それだけ人の死をデリケートに、重く扱っていてることかと私は思います。病院勤務経験が長いP・D・ジェイムズ。多くの人の死の場に立ち会ってきた彼女ならではの表現方法なのですね。

初の出版本は42歳の時の『女の顔を覆え』で、未婚女性のためにホームを運営する女の死を捜査するストーリー。ダルグリッシュシリーズとして1985年にテレビドラマ化されました。

14のストーリーが刑事ダルグリッシュシリーズとしてテレビドラマ化されています。『女の顔を覆え』の刑事ダルグリッシュ役はロイ・マースデンでした。

 

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バーティ カーヴェルは、ドラマ『刑事ダルグリッシュ』では詩人兼刑事役、『ザ・クラウン』ではトニー・ブレア元首相役を演じているイギリス人俳優です。フランス語が堪能でミュージカル舞台も多く出演するマルチな才能。妻からはアプリでプロポ―ズ!そんな...

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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